摂食障害と歯科の関係性について

2024年11月23日(土)

大和市大和駅徒歩2分のまごころ歯科です!

今回は私も経験したことがある摂食障害と歯科の関係性についてお伝えしたいと思います。

摂食障害と歯科の関係性

摂食障害は、食べ物に対する異常な態度や行動から生じる精神的な問題であり、近年、特に若者の間で増加傾向にあります。代表的な摂食障害には、神経性無食欲症(AN)や神経性過食症(BN)、またはバルミア(夜間の過食)が含まれます。これらの障害は、身体的健康だけでなく、心理的な健康にも深刻な影響を及ぼしますが、特に歯科においても多くの問題が引き起こされることがあります。本稿では、摂食障害と歯科の関係性について掘り下げていきます。

摂食障害による口腔内の影響

摂食障害は、常に栄養状態が不安定であるため、身体全体にさまざまな問題を引き起こしますが、特に口腔内の健康が脅かされることが多いです。神経性無食欲症の場合、食事の摂取を極端に制限することで、栄養不足や体重減少が起こります。この結果、口腔内の粘膜や歯茎が脆弱になり、歯周病や口内炎のリスクが高まります。

また、神経性過食症では、過食の後に嘔吐を伴うことが多く、これは歯に対して非常に大きなダメージを与える要因となります。嘔吐によって胃酸が口腔内に逆流すると、酸性環境が歯を浸食し、エナメル質が損傷を受けます。エナメル質が薄くなることで、歯が黄色く見えたり、敏感になったり、さらには虫歯のリスクが高まることがあります。

矯正治療との関連性

摂食障害は、歯の成長や発育にも影響を与えることがあります。特に、神経性無食欲症では、思春期の女性に多く見られるため、骨の成長や歯のエナメル質の形成が十分に行われないことがあります。この影響で、歯の質が低下し、矯正治療を行う際に困難を伴う場合があります。例えば、歯並びが悪くなることはあるかもしれませんが、エナメル質が薄くなっているため、矯正装置を装着する際のリスクが増すことがあります。

精神的な要因と歯科医療へのアプローチ

摂食障害は、しばしば精神的な問題と強く結びついています。患者は自分の外見に対して非常に敏感であるため、歯科医院に行くこと自体がストレスとなることがあります。治療を受けることで、ます自分の身体に対して否定的な感情を持つ場合も少なくありません。このため、歯科医師は患者に対して十分な理解と配慮が求められます。治療を行う際には、患者の心理的な状況を十分に考慮し、優しい言葉をかけたり、治療の進行具合を逐次説明することが重要です。

予防と治療方法

摂食障害と歯科の関係を理解した上で、患者に対する予防策や治療方法が重要です。まず、定期的な歯科検診を実施し、早期に問題を発見することが求められます。また、栄養士や心理士と連携し、包括的な治療計画を立てることで、身体と心の両方からのアプローチが可能になります。

さらに、口腔ケアの方法を教育することも有効です。例えば、嘔吐後すぐに歯を磨くことはエナメル質をさらに損傷するため、少なくとも30分後に行うことが推奨されています。

結論

摂食障害は、身体的および精神的な健康に多くの影響を及ぼす問題であり、その結果、歯科の健康にも深刻な悪影響を及ぼします。歯科医師は、患者の状況を理解し、適切な治療と予防策を提案することで、より良い健康を導くことができるのです。歯科と摂食障害との関係を理解することで、患者がより良い治療を受けられるよう、私たちは努力していく必要があります。

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